デザイナーもマーケティングを学んで価値あるアウトプットを〜行動経済学編〜
- 2019.08.10
- マーケティング

見た目がよくてかっこいいデザインだから、売上が上がるわけではありません。 インパクトも時には必要ですが効力は一瞬。そして数ある方法の中の一つ。それでは意味がありません。
目標達成(売上など)に寄与するためには継続的なアプローチもそうですが、ユーザーを理解する事や、経営やマーケティングを理解した上でアウトプットする事が大切ではないでしょうか。
目的の達成やデザインの価値を向上させるためにも、デザインにプラスアルファ!
まずは、人の感情が経済行動にどんな影響を与えるか?を知るために「行動経済学」を学んでみませんか?
行動経済学ってなに?
人間がかならずしも合理的には行動しないことに着目し、伝統的な経済学ではうまく説明できなかった社会現象や経済行動を、人間行動を観察することで実証的にとらえようとする新たな経済学。2002年に行動経済学者のダニエル・カーネマンがノーベル経済学賞を受賞して以来、脚光を浴びるようになった。カーネマンが心理学を修めたこともあって、経済モデルに人間の心理を組み込み、経済実験やアンケート調査などを駆使する特長がある。
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
経済学では「人は合理的で常に自分の満足を考え行動している」と考えられてきましたが、実際は「冷静な計算ができない」「直感的な意思決定をすることが多い」「先延ばしにする」「誘惑に負ける」などの特性があるんだそうです。うんうん。ありますね…^^;この特性が意思決定にどのように影響するのか?を理解できれば、それを逆手にとって行動を促すことも可能ですね。
この行動経済学はすでにマーケティングに活用されていて、みなさんご存知のコストコは「つい買ってしまう仕掛け」盛りだくさんです。海外の企業は日本の企業に比べ、マーケティングが上手いと言われていますが、コストコの戦術はやっぱりすごいなあ。と思います…!
ということで、コストコの仕掛けをご紹介しながら、行動経済学の理論を説明していきたいと思います!
01. サンクコスト(埋没費用)

コストコといえば、有料・会員制。
高めの年会費にちょっと怯みますよね…。
「でも、周りからの評判は良いし…。話題だし…。行ってみたいなあ…。」と悩んだあげく入会。
「お金を支払っているのだから元を取らないとね!」とつい通ってしまう。
この行動↑損失回避性発揮してますねー。(年会費がサンクコスト)
サンクコスト効果(行動経済学ではコンコルド効果)の罠にハマっております!
サンクコスト?
サンクコストとは、「過去に支払い回収不可能になった投資費用」のことなのですが、このサンクコストを意識することにより、意思決定に影響を与えてしまうのです…。
ここで、1つ質問です!
みなさんはどちらを選択しますか?
【Q】
手元に4800円で購入したライブチケットがあります。
朝起きて外を見ると土砂降り…。
横から吹き付ける風もプラスして会場に行くまでにずぶ濡れになりそうな勢い。
しかも止みそうにない…;;
—————
【A】
A:意地でもライブに行く!(合羽、長靴あるし大丈夫でしょっ♪)
B:無理。行かない。
大抵のみなさんは「A」を選んだのではないでしょうか?
では、このライブチケット、自分で購入したものではなく、プレゼントだったとしたら?
どちらを選びますか?
【A】
A:意地でもライブに行く!(合羽、長靴あるし大丈夫でしょっ♪)
B:無理。行かない。
おそらく「B」を選択したのではないでしょうか?
お金を払ったのだから行かないのは「もったいない」。(←ずぶ濡れになるのに!?)
そう、感情が入ると人は合理的な判断ができなくなってしまうんです。
これは人間の本質なので仕方ないんです…^^;
私もこのサンクコストの罠にハマりそうになりましたが、見事回避した経験を持っていますw これは、なかなかの体験でした><
気になった方はこちら↓サンクコストとの戦いの実録です。
>悲報:うっかり失効…意思決定は「サンクコスト」がポイント!
サンクコストまとめ
このサンクコスト、いろいろな所に溢れていますよね。
amazonプライムメンバーになる事もその一つです。
サンクコスト(埋没費用)ということで、なんだかイメージが悪いですが、コストコもamazonも会員の方にとって素晴らしいサービスを提供しているから、会員になりたくなるし、継続したくなる。コストコに関して言えば、売っているものは原価率90%!!しかも高品質。
そのため、ただ有料会員にしたからといって会員が増えるとか、売上が取れる。というわけではなく土台があってこそ。とはいえ、良さを実感するまでの動機づけには「有料会員」というのは絶大なパワーを発揮しますね。
02. バンドワゴン効果(社会的証明の原理)

ここに潜んでいるのは、大勢の人が支持しているから私もいいと思う。「バンドワゴン効果(社会的証明の原理)」
コストコは、メディアを上手く利用した戦略を行っており、評判が評判を呼び火がついたのだそう。この口コミ効果の影響が追い風になり、「バンドワゴン効果(社会的証明の原理)」発動! 今も広がりつづけているんですね。
バンドワゴン効果をデザインに取りいれる
「バンドワゴン効果」を発動するきっかけとしては、「テレビ番組や雑誌で取り上げられる」ことや、 デザインだったら「雑誌に掲載されましたー」「当店NO.1の人気商品!」とか「今これが、流行ってます!」などですね。↓こんなの

バンドワゴン効果まとめ
「他の人と同じ行動を取りたい」と思う集団心理というものがあり、みんなと同じだから私は正しい。と安心するのです。なので、上の画像のように、多くの人に支持されています!とアピールすることで「私もー」と行動してしまうんですね。
CTAの近くに置くと最後のひと押しになりそうですね。
03. アンカリング効果

コストコには日用品の他に、高級腕時計や宝石類も売っているんですよ。そして、その高級品たちは入り口の近くに置いてある。
これには、訳があるんです!
人は印象的な数値や情報があると、その情報を基準(アンカー)として意思決定をしてしまう。というクセを持っているのです。しかもそのアンカーはその後の意思決定にも影響し続けるそうなのです。
コストコの場合、入り口に高い商品を配置することで、その金額をアンカーとして他の商品が安く感じる仕掛けをしているんですね。
アンカーリング効果をデザインに取り入れると

↑販売価格がアンカーになって、値引きされた金額がとても魅力的な金額に感じますよね。
ですが、別の金額でアンカーされていたとしたら…?この金額は高い。と感じるかもしれません…。「相場」と言われるアンカーがあちこちに…。アンカーリングというクセを認識してアプローチを考える事が大切そうですね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
人っていろいろなクセを持っていますよね…。けれど、こういったクセを知ることで最適なアプローチを考える事ができますよね。
行動経済学にかんしては、ちょこちょこ書ければ!。と思います。
気になった方はyamaおすすめの書籍を紹介しておきますー!事例がたっくさん載っているので読み応え抜群!興味のある方は面白いとおもいますよ!
では、では。デザイナーのyamaでした〜
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