【illustrator】入稿データの作り方&注意点まとめ〜準備編〜
- 2019.08.06
- ノウハウ・ナレッジ

印刷物の入稿データの作り方と、注意するポイントをお伝えしようと思います!
1回目は「デザイン前の準備編」
2回目は「入稿データの作り方&注意点まとめ〜前編〜」
3回目は「入稿データの作り方&注意点まとめ〜後編〜」
webデザインの場合、デザインにミスがあってもすぐに修正できるのがいいところ…(逆にすぐに修正できるから。と、修正依頼が耐えないのが辛いところですが…;)印刷の場合、すぐに修正できない上に、修正コストや間違った情報が世の中に出回る可能性があるため「ミスが許されない」のが現状です。(とはいえ、間違った情報は発信しない。が鉄則ですよ!)
※データの作り方やチェックはyamaの場合なので、他にも方法はあります。自分にあった方法をぜひ見つけてみてくださいね。
説明するillustratorのバージョンはCCです。旧バージョンと多少違う箇所があるかもしれません…。ご了承いただければ。と思いますm(_ _)m
また、A4サイズ(縦)/フルカラー(4C)/トリムありの印刷物の想定で説明を進めますね。それでは、デザイン前の準備を説明していきますね。
新規ファイルを作成する
illustrator(以下AI)のアイコンをクリックするとこの画面が表示されます。
画像内の①の「新規作成…」ボタンをクリックするか、上部メニューバーの「ファイル」→「新規…(⌘N)」をクリックしてください。

アートボードの設定

ステップ1(サイズの入力)
①にサイズの表示があればクリックすると、②と③にサイズが自動的に入ります。(最近設定したサイズが表示されます。表示されていない場合は②、③に直接入力してください…!)
今回は、A4サイズの印刷物を作る想定なので、アートボードの大きさは少し大きめのB4サイズ(W364 / H257)を入力していください。
ステップ2(カラーの設定)
④がCMYKになっているかご確認ください!
RGBになっている場合は「詳細オプション」をクリックした後に表示された「カラーモード」を「CMYK」に変更してくださいね。
※AIでwebデザインをしている方は特にお気をつけください!
すべての設定が完了したら
⑤「作成」をクリックするとステップ1、2で設定したB4サイズのアートボードが作られます。

作業範囲を作成する
A4の枠を作る

①左端に表示されているコントロールバーの「長方形ツール」をクリックした後、画面内どこでもいいのでクリックしてください。
②が表示されるので、サイズを入力(今回は210×297)してOKをクリックするとA4の長方形が作成されます。
※色がついていない場合は灰色などを指定しておくとわかりやすいですよ。
長方形をアートボードの中央に配置する
確認用にプリントアウトした場合、中央に配置することで余計なノイズが入らずデザインに集中することが可能です。(デザイナーはズレに敏感なので…!)
1. アードボードが基準で整列するように設定

右に表示されている①「整列」ウィンドウの右下にある「整列」をクリック
②の用にプルダウンで表示されるので「アートボードに整列」にチェックマークをしてください。
整列が表示されていない時は、上部メニューバーから「ウィンドウ」→「整列」をクリックしてチェックマークを。チェックマークがついているのに見つからない場合はどこかに隠れているので、チェックを一度消してから、再度入れ直すと表示されますよ。
2. 長方形をアートボードの中央に配置する
1.でアートボードが整列の基準になるように設定したので、あとは2クリックして整列するだけですよ!
オブジェクトの整列の中の①「水平方向中央に整列」②「垂直方向中央に整列」をクリック

すると…ジャン!
アートボードの中央に長方形が配置されました!

トリムマークを作成する
トリムマークって何?
トリムマークは印刷屋さんに、ここのラインでカットしてくださいねー。を指定する目印になります。今回はA4ピッタリのアートボードで入稿ではなく、トリムを付けた入稿方法のため、このマークはとっても重要なのです!(ないと印刷屋さんが困っちゃう…。)
ちなみに、A4のアートボードいっぱいにデザインをして入稿することももちろん可能ですが、カットラインがズレて白いラインが出てしまうので、ズレても大丈夫なように、3mmの塗り足し(ドブ/業界用語)をつけて入稿するのがデフォルトになります。その場合は、以下の処理を行ってください。
①メニューバーの「ファイル」→「ドキュメントの設定」(⌥+⌘+P)
②「裁ち落とし」→すべて「3mm」に設定してください。

長方形の周りを囲んでいる青のラインが「トリムマーク」
①は紙の中央を知らせるための目印
②緑の枠が「塗り足し(ドブ)」

方法1 | 「オブジェクト」→「トリムマークを作成」
トリムマークを付けたいオブジェクトをクリックしてアクティブにしてください。そのままの状態で上部のメニューバーの「オブジェクト」→「トリムマークを作成」を選択

方法2 | 「効果」→「トリムマーク」
方法1の時と同じように、トリムマークを付けたいオブジェクトをクリックしてアクティブにしてください。そのままの状態で上部のメニューバーの「効果」→「トリムマーク」を選択

どっちのトリムマークがいいの?
トリムマークの設定方法は上記の2つの方法がありますが、個人的には1つ目の「オブジェクト」のトリムマークをおすすめします!
理由としては、「効果」のトリムの場合、誤ってトリムマークのついているオブジェクトを変形した場合、それに合わせて、トリムマークも自動的に調整してしまいます。しかし「オブジェクト」のトリムマークの場合は、紐付いていないため、変形した場合に気づく事が可能になるからです。
※方法1、方法2,どちらの方法においてもトリムマークに3mmの余白が設定されています。
3mmの塗り足し(ドブ)を設定する
長方形を選択してください。(この時⌘Cで長方形をコピーしておきます。)
変形ウィンドウの①「基準点」の位置をを真ん中にしてください。次に②でオブジェクトのサイズを変更します。(H、W共に塗り足し分、全辺3mmづつプラスしてください。)
↓以下の画像のように<210+6>と入れると勝手に計算してくれるので楽ですよ。(ちなみに、割り算は「/」掛け算は「*」引き算は「-」です!)

マスクを設定する
デザイン要素の他の他に要素(3mmの塗り足しと、トリムマーク)があると、意識がそれてしまうので、入稿時に必要な要素は隠しておきます。
↓こうしておくと入稿データ制作する際に、ラインレイヤー、マスクレイヤーを削除するだけでよくなりますよ。(製作時から塗り足しの事を意識できるので一石二鳥!です。)

①長方形ツールでアートボードと同じサイズの長方形を作成
②整列でアートボードの中央に配置
③コピーしていた長方形を⌘Fで前面に配置
④アートボードと同じサイズの長方形と全面に配置した長方形を選択
⑤パスファインダーの「中マド」をクリック
⑥新規レイヤーを作ってオブジェクトを移動後、レイヤーを一番上に変更
⑦⌘Fで長方形を全面に配置したら「塗り」→「ライン」に変更
⑧新しいレイヤーを作って選択されているラインをそのレイヤーに移動
⑨⑥のレイヤーの上に配置
これで、デザイン前の準備が整いました!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
工程は多いものの、今回の作業は10分程度で終わります。テキストにすると膨大ですね…(汗)
入稿用のデータでありながら、確認用データに切り替え可能なフォーマットにすることで時短になりますよ。
記事が長くなってしまったので、今回はここまでとさせてください…!
次は「【illustrator】入稿データの作り方&注意点まとめ〜前編〜」お伝えします。しばしおまちくださいー。
それでは〜。デザイナーのyamaでした!
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